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12月の下旬に出た4巻、やっと読みました♪

いやぁ、面白かった! そしていいとこで終わった!! 早く続き続き!!!(笑)

えーっと、トロイア戦争を背景に、女だけの国アマゾーン国の命運を描くこの物語。アマゾーン国に逃げてきた予知能力を持つ娘アルティモラ。異民族のアルティモラにも優しい、次期女王候補のペンテシレイア。

女王になるための修行で外国へ行っていたペンテシレイアの帰国が近づく中、アマゾーン国では「子作りの儀」が。

女だけの国、アマゾーン国。放っておいたら子どもはできない。だから一年に一度、「犠婦」と呼ばれる女達が他国へ行って男達と交わるのです。

今回鉄器で有名なヒッタイトへ出かけた犠婦達には、とある密命が……。

武勇に優れたアマゾーンの美女達が弓や剣を取って男達を蹴散らす場面はなかなか痛快。そしてこのヒッタイトでの戦いを機に、アルティモラが予知した「12人の戦士」のうちの2人、ポレムーサとハルモトエーの人生が変わる。

ポレムーサは出産を経験した女。純潔を重んじるアマゾーン国では、「犠婦」となった女は格が低く、参政権を奪われる。貴族であったものも一般市民となり、未来永劫役職にもつけない。たとえどんなに能力があっても。

国の存続のために、ある意味もっとも重要な仕事をしていると言ってもいいのに。

また、異民族のハルモトエーにも市民権はない。

アマゾーン国の未来のため、そのような硬直した制度を変えていこうとする現女王。反発する勢力は自分たちに都合のいい次期女王を選ぶため、神託を受ける巫女頭に干渉しようとする。

そして次の女王が選ばれる日、降りた神託は――。

ってとこで4巻終わっちゃうんだなぁ。ああ、もう、早く続き続き!(爆)

新しく「12人の戦士」であることが発覚したのは新たに一人。これで(確か)7人。

そしてアルティモラははっきりと「この先の悲劇」を予知してしまう。なんとかそうならないように未来を変えようとするアルティモラ。だけど…。

前にも書いたけど、果たして未来は変えられるのか、どんなことをしても、むしろその「あれこれやったこと」が「予知されたこと」を招いてしまうのではないか。「予知された未来」が「予知された」ことによって容易に変えられるのなら、それは本当に「予知した」と言えるのか。

一方で、変えられないなら「予知」など無意味ではないのか。

「ただ知るだけで何もできないのなら、なぜこんな能力を与えられるのか」とアルティモラも苦悩する。けれど神の答えは。

「神に“何故”を問うか…!?」

なんと理不尽なこの世界。


この先まだまだ長いと思われるけど、アルティモラの予知能力に何か少しでも希望がありますように。そのような力を持って生まれてきてしまったこと、アマゾーン国での出逢いを、哀しまずにすみますように――。