(1巻の感想はこちら、2巻の感想はこちら

市東さんのギリシャ悲劇、待望の第3巻です♪

2巻が出たのは昨年6月ですから、もう半年以上、かれこれ8か月も経ったわけですね。

なので、名前と顔がいまいち一致せず(笑)。

主人公(?)のアルティモラやその主人のペンテシレイア、ハルモトエーやフーケは大丈夫なんだけど、ヒッポリュテーにヒッポトエーとか名前が紛らわしかったり、見た感じが紛らわしい人がいたり。

なんせ舞台は女ばかりのアマゾーン国。ストーリーに深く絡むのは当然若い美女が多く、市東さんも描き分けが難しいやろなと。

「月の女神に選ばれし女戦士」だけで12人もいるんだもんなー。

2巻までに4人判明した戦士、今回新たに2人が追加。これで6人、半分がわかったことになる。

まだあと6人も美女が出てくるのか、すでに出てきている中にいるのか。

異民族でありながら巫女の素質を持ったアルティモラ。彼女が実際に会って接触しないと戦士かどうかわからない。

本格的に才能を開花させ、女王にまで頼られながら、異民族の娘であるがゆえに――また、宮廷内の権力争いのゆえに、アルティモラは「亡き者」にされかける。

おそらくずっと、「身の危険」は彼女についてまわるんだろうなぁ。

アマゾーン国では子作りのために他国の男達のもとへ向かう「犠婦」の準備が進み、一方女王候補として修行の旅をするペンテシレイアはミュケナイの王アガメムノンに「力試し」をされ、王妃クリュタイムネストラに出逢う。

……「グリークス」での白石加代子さんの強烈なクリュタイムネストラを知っている者としては、薄倖の影を刷いた大人しい美女として描かれているのがなんともこそばゆいですが。

クリュタイムネストラも、若い頃はあんなだったのかもしれない。相思相愛の最初の夫をアガメムノンに殺され、無理矢理妻にされたんだもの、後に彼女が愛人と図ってアガメムノンを殺害しても、それはアガメムノンの自業自得。

ペンテシレイアと出逢った時、彼女は初めての子を身籠もっているようなのだけど、それってイフィゲネイア? 今Wiki見たらイフィゲネイアは「前夫との娘という説も」あると。

アガメムノンの策略でイフィゲネイアを喪ったクリュタイムネストラが狂気に落ちるのも無理はないか……。そして同じ自分の娘であるはずのエレクトラは父親の見方、息子オレステスによって殺される運命。

ギリシャ悲劇を一身に背負ったような人生だなぁ、クリュタイムネストラ。

閑話休題。

まだトロイア戦争も始まってないし、この先大変長い話になると思うのだけど、4巻の発売予定は9月。

待ち遠しいなぁ。もっとどんどん読みたい。

「やじきた」と並行連載だし、資料とか大変だろうとは思うけど、市東さんがんばってください。このお話、とても好きです!