(第1巻の感想はこちら

心機一転、仕切り直しの『やじきたⅡ』、軽井沢篇完結です。

2冊で1エピソード、うん、ちょうどいいくらいの分量だよね。

いよいよダンス大会ということで、やじさんの驚異的な上達ぶりも楽しめるし、お約束の男装キタさんももちろん以上に楽しめる! いや、もう、男女逆転ペアとか楽しいったらないね。私、生まれ変わったらキタさんになるんだー(無理)。

社交ダンスに力を入れる分、アクションシーンは少なめ。小鉄に見せ場がないのもちと寂しい。

事件自体は一件落着するけど、ビミョーに謎が残るというか、「これでおしまい」はもったいないというか。

1巻では小鉄を追い詰めかけた実は「忍び」の数人くん、2巻ではその戦闘能力は隠れたまま。活躍はしてるけど、なんでわざわざ「忍び」やねん、というところがあるよね。ただの武道の達人でも良さそうなところ。

彼に触れてもキタさんのじんましんが出ないところを見ると実は数人くん、女だったりとか。

跡取り息子としてちっちゃい頃から「男」として育てられたとか、ないかな。小柄だし。

でもさすがに幼なじみの夏木くんやかほりちゃんが気づかないのはないかー。キタさんもあれだけ密着してれば気づくだろうしなー。気づいてて知らんふりもキタさんならありえるけど。

なんか数人くんはこの先も出番ありそうな気がする。ないともったいない。

で、その、キタさんの「男に触れるとじんましん」という症状。「仕切り直し」とはいえ、過去に解決した事件はすべて織り込み済み、チャラになってはいない、ってことだよね。

ある程度はチャラにしてくれてもいいと思ってたんだけど、最後にハーディ顔見せしてたしなぁ…(←とことんハーディや姫御前に出てほしくない人)。

あ、そうだ。

夏木くんと数人くんが「まだ全部は言っちゃダメだよ」ってやじきたコンビに何かを内緒にしてるシーンがあるんだけど、最後まで読んでも何が内緒だったのかわからんかった……。

宮本小夜子さんのことなのかなぁ。

別にそれ内緒にしてたからってどうなん?という気がすんねんけど。

やっぱり「僕が女なのは内緒だよ」とか!?

うーむ。

ともあれ楽しみました。さすらいの仕事人コンビ、次はどこでどんな事件をすかっと解決してくれるのかな♪

息ぴったりの相棒だけど、決してベタベタではない二人。

数人くんに、「彼女(やじさん)にはヒミツにしてるの?君たちはお互いに隠しごとなんてしないと思ってた」と言われてキタさん。

「なんでも話し合ってなんでも見せあっているとでも?必要ならば嘘だってつくよ あたしらが絶対にしないことはふたつだけだ 仲間を裏切ることと 仲間を見捨てること …んなこたぁあたしらでなくても 人間ならあたりまえのこった」

きゃーっ、もう、キタさんったら男前っ!!!