※以下ネタバレあります!これからご覧になる方はご注意ください。



入場者特典フットバソウルメダルは「エナジーアイテム セーブ」でした。

シリーズ開始当初はゲームモチーフの戦闘場面がチカチカするというか、どうにも好きになれなくて、永夢のキャラクターにも感情移入できず、唯一共感できるな、と思っていた監察医きりやんがさっさと退場してしまって、「テキトーに流し見」する感じだったエグゼイド。

しかし新檀黎斗登場前後からとにかく社長芸に目が離せなくなり(笑)。

相変わらず永夢は好きになれないものの、きりやんが無事復活したこともあり、ついつい映画館にまで足を運ぶことになってしまいました。

「トゥルー・エンディング」というタイトルがまた、そそりますよねぇ。まさかテレビ本編ではちゃんと終わらないの?ディケイドの悪夢再び!?とか、時間を止められるクロノスがいるのでどこかの時点で時間が分岐して、複数の結末が生まれるの?とか。

まぁ映画館に行く前に(見に行ったのは8月9日)、どうもそういう「パラレルワールド」的なものではないらしい、ということは知ってしまったんですが。

うん。

映画パンフレットで脚本家高橋さんが「夢オチにもパラレルにもしなかった」と書いておられて(公式Twitterでもその旨告知されてたようです)、「正々堂々“本当のラスト”を描く」っていいなぁ、潔いなぁ、と思いました(ディケイドのあれはあれで好きですよ。ええ、好きです!)。

テレビ本編の終盤と夏映画の公開時期が重なるので映画のストーリー作りは本当に毎回大変なんだろうな、と思います。なので「本編が終わった後を描く。だからこれがエグゼイドという物語の“トゥルー・エンディング”」って、なんか、「真っ向から挑んできた!」みたいな。

とはいえ、あんまりそういうこと考えなくても見られました。

テレビ本編の時系列のどこに入るのか、ってそんなに深く考えなくても楽しめるし、「あれ?クロノスお休み中?」ぐらいの認識でも大丈夫なような。いや、きりやんが復活しててパラドが人間側、っていうだけで本編終盤の時系列ではあるんだけども。

テレビ本編でおそらくクロノスが倒されて「とりあえずめでたし」になった後の世界、だと思われます。クロノスいい加減めんどくさかったから、出てこないの単純に嬉しい(笑)。

クロノスがもういないということは仮面ライダークロニクルは絶版になったんだろうと思うけど、ライダー達はまだみんなベルトもガシャットも持ってて、CRも存続してるぽくて、バグスターウィルスの脅威はまだ健在のよう。

で、そこに謎の忍者モチーフのライダーが現れ、次々と手裏剣型武器で人々を攻撃。手裏剣にやられた人間は昏倒してその意識をVR世界に持って行かれてしまう。人間のみならず、バグスターであるポッピーやきりやんまでが同じ目に。

このVR世界、永夢が小児科研修の際に担当した難病の女の子、まどかちゃんの願いを叶える世界になっていて、小学校の運動会が開催されています(この小学校の校舎がまた、非常に昔懐かしい昭和な感じの枯れた校舎だった)。手裏剣攻撃を受けた人達は運動会のいわば「エキストラ」、そしてなぜか飛彩先生はまどかちゃんの父親役に。

「私に撮れないものはない!」と娘の活躍する姿をカメラにバッチリ収め、「私に切れないものはない!」とお弁当のピザを華麗にカット!

妙にハマってて笑えるのですが。

何と言ってもこのVR運動会の花形はピストル持って「バン!」する大我先生!

体育の先生コスで「バン!」する大我先生楽しすぎる。反則www

しかもその大我先生の前を体操服にランドセルという珍妙な格好で走って行くニコちゃん。ニコちゃん……何やらされてんの……。

まだ十代のニコちゃんとはいえ、やっぱり半ズボン体操服はヤバいよね。ランドセルまで背負ってるし。

この運動会コスの大我センセとニコちゃん見るだけで映画館行った甲斐ありました。

謎の忍者ライダーの背後にはブラザー・トムさん扮する「マキナビジョン」社長ジョニー・マキシマがいます。確か7月末くらいのテレビ本編にちらっと出てきましたよね。クロノスに「あの話はなかったことに」とか何とか言ってた。

提携だか投資だかを持ちかけていたのを「やっぱりやーめた」と。

しかし実はその後、幻夢コーポレーションのデータがハッキングされていたらしく、マキナビジョンは独自にライダーシステムというかゲームシステムを開発していた。

ということを監察医きりやんと檀黎斗神が現・幻夢コーポレーション社長の小星さんところに聞きに行くわけです。テレビ本編の割と前半に出て来た「ガシャットを作れる男」小星さん、またお会いできるとは。

で、早速きりやんがマキナビジョンに乗り込みジョニー・マキシマと対峙。「日本が好き」ということで忍者ライダーなんだけど、扇子に書いてある文字は「忍」ならぬ「葱」

あざとい。

あざといぞ、ジョニー・マキシマ!

ブラザー・トムさんが日本かぶれのいかにも怪しい社長を好演。そしてその部下で忍者ライダーに変身する男・南雲役は堂珍さん。男前だし、愁いを帯びて訳ありな感じが似合ってました。

ゲームプレイヤーにわざわざ難病のまどかちゃんを選ぶところからして、南雲が彼女の生き別れの父親ってことはたやすく想像がつきます。何しろ、ウイルスにやられた人達が送り込まれるVR世界は「元気に運動会に参加したい。徒競走で1等取りたい」という彼女の願いを叶えるものなのです。現実にはずっと病院のベッドにいるしかないまどかちゃんが、元気に駆け回れる世界。

たとえ手術が成功しても、それだけでハッピーエンドになるわけじゃない。普通の、健康な子と同じように過ごすことは、なかなかできないだろう。この先成長していく過程で、色々な困難に遭遇するはず。それならいっそVR世界で幸せに……。

仮面ライダーって、「父親の(歪んだ)想い」っていうの、よく出てきますよね。「平成ライダーvs昭和ライダー 仮面ライダー大戦」の時の板尾創路とか、「ウィザード」の白い魔法使いも娘を生き返らせたい一心で他の人間を犠牲にしていた。仮面ライダーWの敵もフィリップの父親で、仮面ライダーエターナルを生み出したのは父親ではなく母親だったけど、やっぱり「死んだ息子をなんとか」という想いだった。

今回はまだまどかちゃんは生きてる。「死んだものはそんなこと望んでない」ってよく言うけど、死んだ人間の本当の想いなんてわからなくて、でもまどかちゃんは生きてるから、彼女の「本当の願い」はわかるんだ。

もちろん運動会で1等賞も取りたいけど、でも彼女の一番の願いは――。

「子どもの命を、子どもの笑顔を守るのは、僕たち大人の義務じゃないか!」っていう永夢のセリフ。永夢嫌いだけどこのセリフにはグッと来ました。特撮ヒーローらしいメッセージだよね。大きいお友だちとしては我が身を振り返らざるをえません。自分は“大人”としてどうなの?って……。

最後、ゲムデウスマキナに変身したジョニー・マキシマが「人間ごときに運命を変えられるか」みたいなことを言って、永夢が「人が生きるということ、それこそが運命を変えることだ!」とかなんとか言うのもいいセリフでした。「いいな」と思った割に正確なところ忘れちゃってるけど(^^;)

キュウレンジャー映画と共通だと思った「未来への希望」云々のセリフもどんなだったか思い出せない。あれ? ほんとにそんなセリフあったっけ???

VR世界の嘘の幸せで笑顔になるんじゃなく、困難の多い現実世界でも、人は未来に希望があれば笑えるんだ、みたいな流れだったかな……。うう、記憶力……。


医療とゲームをモチーフにしたエグゼイドの「トゥルー・エンディング」として、実によくできたお話でした。VRなゲーム世界。そして天才外科医飛彩さんによるまどかちゃんの手術。患者さんの命を守り、笑顔を守る、未来に希望をつなげる「ドクターにしてライダー」の4人。

途中ゲムデウスマキナにパラドと檀黎斗神が吸収(?)され、飛彩さんと永夢の二人はまどかちゃんの手術、ニコちゃんに「おまえはあの子のそばについていてやれ」と言って一人出て行く大我先生。その行き先を知りながら「気をつけて」(だったかな)とだけ言葉をかけるニコちゃん。

エンディングでも大我先生とニコちゃん超ラブラブやったけど、そもそもなんでニコちゃんが大我先生んとこに来たのか思い出せないくらい、最初からイチャイチャしていた気がするよね(笑)。

一人ゲムデウスマキナのもとへ向かう大我先生に合流し、覚悟を問われて「どうせ一度は死んだ身だ」と答えるきりやん。きりやん(というかレーザー)のキックアクション、好きですわ♪

一度死んで、バグスターとして蘇ったきりやん。CRに復帰して、エンディングでも論文書いてたぽいきりやん。

でも、バグスターやん?

バグスターって、きっと年とか取らないよね? ご飯食べたりトイレ行ったりも必要ないんだろうし。

パンフのインタビューでポッピー役のるかちゃんも

バグスターにとっては、生き残ることも辛いかもしれないんですよね。きっと歳もとらないんだろうし、最終的には、バグスター同士で生きていくしかないのかなって。

と言ってるんだけど、神になって普段はゲーム世界に閉じこめられてる檀黎斗神はともかくとして、きりやん、ポッピー、パラドのこの先の“人生”ってどうなるのかな。パラドはなんか、いつでも好きに永夢の体の中に入ったり出たりできるっぽかったけど。

永夢がじーちゃんになっても、パラドはあのまま永夢と共存するのかな……。

エンディングで大我先生んとこの医院に「ゲーム病ならお任せ!」みたいなポスター(ニコちゃん作)が貼ってあったし、クロノスが倒され、ゲムデウスマキナが倒されてもライダーの需要はあるみたいなんだけど。


無事お話が終わって、それぞれの“その後”みたいなエンディングも流れ、「あれ?そう言えば新ライダー出てこなかった」と思っていたら、いきなりとってつけたような仮面ライダービルドパート。

マイティブラザーズな永夢とパラドの前に現れた仮面ライダービルド、「ゴリラ!ダイヤモンド!ベストマッチ!」とゴリラモンドフォームに変身、なんかよくわかんないけど「エグゼイド成分」をボトルに回収して去って行く。

えっ、エグゼイド成分って、分離回収できるんだ……。

エグゼイドボトルは当然冬映画で使われてマックス大変身ベストマッチ!とかになるのかな。

冬映画の予告でバーンと「平成が終わる――!」って出た時は、うわぁと思っちゃいました。そうか、ビルドの次のライダーは(ビルドもその次も放送が1年あるとして)平成と次の元号とをまたぐことになるのか、うわぁ。

昭和世代としては感慨深いを通り越してもはや怖ろしいです。いつまで仮面ライダーを見続けるんだ、俺。

でもどういうお話になるのかなぁ、冬映画。今回のさらにその後、だよね、たぶん。途中で檀黎斗神のライフが1になっちゃってたから、もう次は戦えないよ、檀黎斗神。その神の才能を発揮するだけにとどめないと。

「バグスターとして生きるということは」に焦点が当たると面白いな、と思うけど、主人公はあくまで永夢だからなー。

ほぼタイトル告知だけの予告を見ながら「冬も映画館来なきゃ」と思ったひゅうがでした。だからいつまで仮面ライダー見るのよ……。


(パンフに載ってた「檀黎斗“芯”」、映画館に売ってなくて大変残念でした。)