相撲の幕内優勝者には、「総理大臣杯」というのも贈られます。昨日、白鵬が優勝して表彰式をしている時、うちの息子が「内閣総理大臣杯って、誰の名前になってんねんやろな〜」と鋭いツッコミを入れてました。

昨日の夕方の時点ではもう福田さんが新しい自民党総裁に決まっていましたが、首相はまだ安倍さんのはずなんですよね?
だからもちろん白鵬がもらった表彰状には安倍さんの名前が書いてあるんでしょう。

なんだかとても、妙な感じがする。

今は国会の会期中なんだけれども、安倍さんが「辞める」と言ってしまったので開店休業状態。
「辞める」とは言ったがまだ辞めてはいないはずなのに、国会は開けなくて自民党総裁選をやっていた。
安倍さんが「首相を辞める」というと、まずやらなければいけないのが自民党の総裁選である、というのがよく考えたら妙だよなぁ。
まぁ自民党の総裁と首相がほぼイコールである、ということは暗黙の了解というか既成事実というか、「だってそーゆーものだから」ではあるけれど。

「首相を辞める」と誰かが言ったら、すぐに国会で首相指名選挙、というふうになっても良さそうなものなのになぁ。
あれは必ず「党で一人しか出しちゃいけない」ということになってるんだろうか。
いきなり首相指名選挙に福田さんと麻生さんと小沢さんが立候補して……というわけにはいかないのか。

開店休業中でも1日1億円の経費が国会会期中はかかっている、とこの間テレビで言っていたので、「首相が辞めると言ったらまず自民党総裁選」というのはとっても経費の無駄ということになる。
もちろんそれは所信表明演説の直後に「辞める」と言っちゃった安倍さんが無茶苦茶なので、普通そーゆーことは想定されてないんだろうけれども、無駄になった数億円は誰が責任を取るんだろう。

福田さんか麻生さんか、という話ばかりで、「それで安倍さんは今何してるの?まだ首相のはずなのに」と思ってしまう。
朝青龍の時はあんなにしつこく追いかけたマスコミは何故安倍さんをほったらかしにするんだろう?
いっそ安倍さんも「急性ストレス障害」で、「でも実は仮病」とか、「入院しているはずなのに○○で遊んでいた」とかいう、でっちあげでもいいからそーゆー「安倍バッシング」があったら面白かったのに、とか。

『ローマ人の物語�〜すべての道はローマに通ず〜』の「はじめに」のところで、塩野さんがこんなことを書いていらっしゃる。
「夢とかゆとりとかは各人各様のものであって、政策化には欠かせない客観的規準は存在しない。(中略)政治家や官僚の仕事は、国民一人一人が各人各様の夢やゆとりをもてるような、基盤を整えることにあると思います」

この言葉は、塩野さんがこの巻を書く数年前に、「次期首相候補」と言われていた政治家に直接おっしゃった言葉だそうだ。
その政治家は塩野さんの助言を無駄にしたらしいが、さて今度首相になる人は、上の言葉を聞いてうなずくだろうか。どうだろう。