待ちに待った『ファルコ』の新作、やっと出た~\(^o^)/

の前に、2巻も買ってました。


もともと白泉社文庫版の『ファルコ』を持っていて、半分以上内容がかぶってるんですが、


今回プリンセスコミックス版第2巻には『アルカサル外伝』として描かれた『地の果てへの道』が収録されていて、どうしてもそれを手元に置きたかったので、2巻だけ買いました。(さすがに1巻までは買い直さない)

『地の果てへの道』も一度読んでるんですけどね。でも元気なドン・ペドロを手元に置いておきたかった。

なわけで。

白泉社文庫版と2巻でおさらいした後、いよいよ3巻目。

新作です。

『ファルコ』の1作目は「花曜日」という雑誌に平成3年に掲載され、4作目までが載ったところでその雑誌が廃刊。9年後の平成13年に『メロディ』で再開して5話目と6話目。そして「地の果てへの道」が平成20年にプリンセスGOLDに載って、同じくプリンセスGOLD上で今年2月号から連載スタート!

最初が平成3年ってことは、足かけ20年以上のシリーズなんですよねぇ。久しぶりに第1話読むと少しファルコの顔が違いますけど、でもそんなに違和感はありません。騎士時代のファルコが「鉄のクラウス」そっくりなのには驚きましたけど(忘れてた(笑))。

そう、主人公ファルコはかつて「ナバーラの鷹」と呼ばれた凄腕の騎士。その剣で多くの血を流したことを悔い、今はドイツのリリエンタール修道院で修道士をやっています。

もともとはスペインのナバーラ王国の人で、1話ではドン・ペドロと剣の勝負をしていたりするんだけど、先祖がドイツ人で、彼の容貌は「先祖返り」と言われるほどドイツ人らしく、父祖の地ドイツで心機一転。

頭頂に目立つ痣があるためトンスラを禁じられ、長髪のまま修道生活を送る彼は俗世での経験を生かし、修道院に降りかかるトラブルを仲間の修道士とともに解決していくのでした。

「地の果て」からでも5年のインターバルがありますが、物語の中の時間はしっかり繋がっていて、第5話で「傲慢の罪」を犯し、スペインの聖地サンティアゴへの巡礼を命じられた修道士マティアスのエピソードがまだ今作でも続いています。

「地の果てへの道」で図らずもマティアスを助けることになったファルコ。

3巻に収録された第7話は、その後ファルコとマティアスがリリエンタール修道院へ戻る道すがらに出会った不思議なお話です。

巡礼と「地の果て」での苦難を経てすっかりいい人になっちゃったマティアス君はちょっと物足りない気もしますが(笑)、非凡な秀才っぷりは健在。自分の目で奇跡を見ても、「妄想老人と一緒にされてはかなわない」とファルコに箝口令を敷くところなど面白い。

ネタバレになっちゃうけど、聖人の姿が見えちゃうのですね、マティアス。そんでその聖人さんがなんか、悩ましいっていうか、男前だけど微妙に怖いっていうか、なんとも言えない青池さんの画力。

第8話では無事リリエンタール修道院に戻り、懐かしい面々総登場。聖職者としての倫理観はしっかり持ちながらも豪腕経営者として修道院を切り盛りする副院長を見ると、なんかホッとします。なんでだろ(笑)。

「リリエンタールに帰ってきた」って感じがする(爆)。

マティアスと並ぶ秀才でありながら変人のアルヌルフに降りかかった相続争いのトラブル。

いやぁ、この時代相続争い多いなぁ(笑)。

3話目も相続絡みの殺人だったし、4話目にも叔父の身代を狙う甥が出て来て、6話目も「弟が死ねば遺産は私のもの!」と争う怖いお姉ちゃん達の話だった。

「金」「金」「金」の世の中、我欲に振り回される俗世の人々を見ていると、「修道士で良かったね、ファルコ」という気になります。修道院だって「お金」が要らないわけじゃなくて、やり手の副院長は葡萄畑の拡張に勤しんでいるんだけど、でもそこには節度があるわけで。

……いや、まぁ、よそから聖遺物盗んだりもしてるか、修道院……。

第8話ではロスバッハの若殿様が印象的でしたね。いいお殿様。

彼の従者が筋違いの逆恨みをしてファルコにケンカをふっかけた結果ファルコが「倍返し」する場面には思わず「半沢直樹か!?」と(笑)。

正確には「2倍返してしまいました」と言ってるし、「半沢」放送前に描かれていると思いますが。

『エロイカ』と同じく、この先も末永く続いてほしいシリーズです♪