終わっちゃった……。

関西では高校野球で2週抜けた分、21日に45話、23日に46・47話、そしておととい28日に最終48話と怒濤のオンエア。

お預けくった分どっぷりオーズワールドに浸らしてもらった一週間でした。

2話連続放映だった23日なんて、もうなんかどっと疲れたもん。我ながらどんだけ必死で見てんねん。

おとといの最終回も、朝8時半に見終わって……もう何もしたくない。ずっと余韻に浸っていたい。私の28日はもうこれで終了した――って感じだった。

それぐらい魂持ってかれた。

アンクちゃん死んじゃって、すごく哀しくてせつないラストだったけど、でもお話としてはすごく素敵な、「良き終末」で。

ねぇ。

もう、ホントに何から書いたらいいんだろ。

言いたいことがありすぎて。遺しておきたい想いがありすぎて。

44話でカザリが“死んで”、「死んだのか」と問うアンクに真木博士が「ただのメダルの塊です。“消えた”だけです」って言う。

ただのメダルの塊。

でも、そんなこと言ったら人間だって「ただの細胞の塊」。

メダルと細胞と、どう違うのか。どうして片方には「命」があって、もう片方にはそれがないのか。

どうして「何かが寄せ集まってできた塊」に「意識」が、「心」が宿るのか。

カザリに続いてメズール、そしてガメルが“死んで”いく。最後までメズールのこと想ってたガメル。メズールのメダルにキャンディー差し出して「これ、あげる」と言って“死んでいく”ガメル。

「ありがとう」っていうメズールの笑顔を胸に“死んでいく”ガメルのあの想いは、ただの“欲望”なんだろうか。メダルの塊、満たされぬ欲望がたまさか描いた“擬態”にすぎないんだろうか?

欲望だけでできたメダルの怪物グリード。世界を本当には感じることのできない彼ら。

元はと言えば人間が生み出したものなのに。

人間によって「決して満たされない欲望の塊」として生み出され、人間に疎まれ、利用され、消滅させられるだけのグリード。

……可哀想……。

メズールに、「食べて、見て、聞いたんでしょ」と言われたアンク。

人間の体に寄生することによって初めてアイスの味を知り、花の色を知り、文字通り“人の温もり”を知り。

だからこそ。

人間は嫌いだがグリードはもっと嫌い。

グリードでしかない自分。決して人間にはなれない、“メダルの塊”でしかない自分。

うう、書いてるだけで泣けてくるわ。どんなに“自分”が恨めしかったろう、アンク。

アイス食べながらクスクシエでみんなと過ごした日々を振り返るあのシーン。なんてせつない。

「(アイス)食いにきた。うまかった。他にも色々だ。だからこの体よこせ」 そう言わずにはいられなかったアンク。比奈ちゃんがダメだって言うのはわかってる。比奈ちゃんのお兄さんへの想いはもう、アンクにも十分わかってる。

それでも。

望まずにはいられない。「世界を確かに味わえるもの=命」を。

「命が欲しいなら他の命も大切にしろ!」って映司くんが応えたけど、あれはちょっとひどいと思った。だってアンクには――グリードには、まだ“命”がないんだもの。同じ土俵にまだ上がってないのに、上げさせてもらってないのに。

そりゃ映司くんは最初からアンクのこと、「生きてる」って思ってただろうし、「グリードである」ということを身をもって経験しつつあったけど、でももともと世界を感じ取れていたのを「失う」のと、「最初から持ってない」のとではやっぱりちょっと違うよね。

「おまえは欲しがりすぎなんだよ!」なんて、そんなのさ……。

しかも映司くんってばその口ですぐ「一度も言ってなかった。アンク、ありがとう」とか言っちゃうんだもんなー。「今日の分のアイス」ってパンツと小銭出したりするんだもんなー。

ズルい。

そんで、結局アンクちゃんは「ただのメダルの塊が“死ぬ”とこまで来た」って満足して、映司くんと世界を救って死んでっちゃう。

「死ぬ」ことが「命あること」の証。

なんという逆説。

限りがあるからこその、「命」の尊さ……。

うう、アンクちゃぁん(号泣)。
 

「映司くんもアンクちゃんもお兄さんも。ちゃんと欲張れるのは比奈ちゃんだけ」 知世子さんの言葉で比奈ちゃんが「ちゃんと欲張った」ら、その欲望で奇跡が起きるんじゃないかってちょっと期待してた。

Wの時もフィリップ君最後に復活して戻ってきたし(フィリップ君の場合もともと死んでた、という話もあったが)。

比奈ちゃんが「何もできない」と想いながらアンクと映司くんと手を繋ぐシーン。

映画ではもっと楽しく手を繋げたのに……最終回はとってもとってもせつない、でも大切な、3人一緒の時間。

やっぱり、それが、「奇跡」を起こしたんだろうな。

誰も止められそうにない真木博士とメダルの器の暴走(…ウヴァの兄貴は最後まであんなお気の毒な役回り…)を止め、映司くんもアンクも本当に欲しかったものに気づいた。もう手に入れてることを知った。

お兄さんが比奈ちゃんに言った「映司くんを“都合のいい神様”にしてちゃダメだ」って言葉もものすごく深かったけど、知世子さんの「ちゃんと欲張れ」っていうのもホントにすごいなぁ、って。

「正しいかもしれないけど、そんなのつまんない」

“欲望”は人を醜くもするけど、でも鴻上さんの言うとおり、「今日という日を明日にするのも欲望だ」。

人の進化の原動力でもある。

……結局鴻上さんって何がしたかったん?っていうのもあるけど……鴻上さん的にあの結末は、メダルのほとんどが消えちゃうっていうあの結末は、どうやったんやろ……。

にしても。

Wでも敵は「ガイアメモリ」という「力」に振り回される人間で、今回も人の「欲望」が「敵」であり、「力」であり、その「力」に仮面ライダーさえもが振り回される。

人を救うために欲しかった「力」。でもその「力」が強大であればあるほど人はその「力」に振り回され、呑み込まれ、もともと何のためにその「力」が欲しかったのかわからなくなっていく。

「正義」の変質。

同じ「ガイアメモリ」が怪物を生みだしもし、それを破壊する「仮面ライダー」を生み出しもし、人の欲望の塊である「メダル」の力が、怪物ともなり「仮面ライダー」ともなる。

怪物とライダーを分けるのは、「コントロールできるかどうか」ということ。

強力すぎる「力」に呑み込まれずに、「正気」でいられるかどうか。

ライダーがグリード化していく、っていうのはちょっと、初期の仮面ライダーの葛藤を彷彿とさせたよね。「改造人間=人間でないもの」になってしまった哀しみ、それでも「人間」の側に立って闘う覚悟。

1号2号はショッカーによって、「敵」によって「敵の一員」となるべく改造されたけど、V3は1号2号によって「敵」と闘うために改造されてた(手術しないと風見志郎が死んじゃうということもあったが)。

「人」を救うために、「人」でなくなる。

それは正しいことなのか否か?

……映司くんは暴走しているように見えて、ただ「強大な力」を望んでいるように見えて、最後までその使い方をちゃんと計算してて、かなり「正気」だったんだけども、それでもやっぱり彼の「正気」を支えているのは仲間たちの存在だったろう。

「そんな手で何を守るんだ!?」と言ってくれる伊達さん。

「一人で何もかも背負い込もうとするな!」と言ってくれる後藤ちゃん(ほんと、後藤ちゃんもたくましくなったよね。お母さん嬉しい!(笑))。

そしてアンク。

「俺がついてないと相当ヤバいだろ、あの使えるバカは」。うっ。いちいち泣けるんだから。

紫のメダルの暴走パワーでなく、「これを使え!」と自分のメダルを映司くんに託すアンク。

最後のタジャドル、「タカ!クジャク!コンドル!」のコンボボイスが串田さんじゃなくてアンクの声っていうのがまた!

泣かせてくれるぜ、スタッフ。

「わかってるよ。おまえが本当にやりたいことなんだよな」

ヒビの入ったタカメダル。アンクの想いを受け止めて、変身する映司くん。二人で一人の仮面ライダー、一心同体。

♪2つの願い ぶつかりあって 奇跡の力 ここに降臨♪

タジャドルソングそのまま。嗚呼……!
 

二人の願いが重なったからこそ、最後に打ち勝てたんだよね…。

「おまえの手を掴んだのも間違いじゃなかった、絶対」

割れたメダル握りしめて、「いつか、もう一度」って歩いていく映司くん。その映司くんの後を追う、アンクの魂――。

ほんまにええラストすぎる。

たとえ割れてしまっていてもメダルを持っていれば。

忘れなければ。

欲望が、願いが、祈りがあれば…。

来世では映司くんと比奈ちゃんの子どもとして生まれてきたりするのかな、アンク。伯父さんそっくりの子どもとか別に変じゃないし(笑)。

あと映司くん、アンクのメダル、小銭と一緒にパンツに包んで持ってそうな気がするんだけど、いいのかな、アンク。パンツにくるまれてて(爆)。

しかし年末のMOVIE大戦ではどーするのだろう。

メダルはほとんど消えちゃったんでしょう? オーズドライバーは残ってた?

せっかくの10枚目のタトバメダルもあっさり壊れちゃったし、どうせ鴻上さんがまたどっかからコアメダル発掘してくるんだろうけど、鳥系メダルは…アンクちゃんは……。

「お兄さん」としての出番しかないなんてイヤよ。アンクのいないオーズなんて。

「お話」としては大変素晴らしくせつなく感動的な終わり方だったから、安易に復活しては魅力半減なのだけどでもっ! もう一度アンクちゃんに会いたいというこの想いをどうすればっっっっっ!!!

……もう1回「将軍と21のコアメダル」見に行こうかな。3人が明るく手を繋げてたあの世界。一緒にいられたあの世界……。

ブラカワニがあるんだから、メダルの器に吸収されなかったメダルは他にもあっておかしくない。ガメルとメズールの「10枚目」もまだ残ってるかもしれない。

「ドラゴン!フェニックス!ユニコーン!」ってコンボがあったらカッコいい、ってうちの息子ちゃんが言ってるけど、割れたタカメダルが蘇ってフェニックス(不死鳥)メダルになるとか……ないよね…。

フェニックス、鳳凰、朱雀、伝説の鳥コンボとか。ないよね。
 

ガメルが残ったメズールのメダルと大量のセルメダルと青い布(←これってグリードにとってもしかして最重要?)でメズールを復活させようとして、ウヴァが「それはただのコアメダルだ。メズールの意志は入ってない」って言ってたんだけど。

グリードの意志って、どういうふうに宿ってたんかなぁ。

アンク(ロスト)には新しく意志が宿ったりしてたよね……。
 

いつか、もう一度。