やっと読みました。

3月2日に買ってあったんだけど、体調があまり芳しくなかったのでこーゆーしんどい話に立ち向かう元気がなく。

9日後には東北大震災が発生して、やっぱりなんか、どうせ読むなら明るいお話が読みたいという感じで。

今の今まで手に取る勇気が出なかった。

ちらっとページをめくったことはあったんだけど、「うわぁ、やっぱりスプラッタだぁ、しかも青木の家族っぽい」ってことで「あかん、もっと精神的にタフな時じゃないと」と閉じちゃった。

これまでの、4巻ぐらいまでのどうしようもないせつなさに比べれば「精神的負荷の質」が違って、泣きまくることもなかったけど、でも薪さんの身に危険が迫って、青木とその家族があんな目に遭って、どう考えても怪しい「帰ってきた亡霊」の人が不気味で、「薪さんのいる世界はまだ、狂っていないんですね?」という青木のセリフが象徴するように、かなりヤバくなってきている。

「死んだ人の脳」、もっと言えば「殺された人の脳」に残る「記憶」、殺された人が見ていた景色を見ることによって捜査する「第九」。

今までだって十分精神的にきつかった。

殺される瞬間の「画」がキツいのはもちろん、犯罪に関わる以外の故人のプライベートまで覗いてしまうこと。様々な「秘密」。

自分が死ぬ時は頭を撃ち抜いて、決して脳を見られてはならないと覚悟を決めている薪さん。

自分の家でさえ安心して眠れない薪さん。

そして今度は犯人がすぐ隣にいるのかもしれないという疑念。

もしかしたら最初から、例の鈴木さん達が亡くなることになった「貝沼事件」すら何かしら仕組まれていたのかもしれないという疑念。

この「誰も信じられない」状態がものすごーいキツいわけだよ。

まぁもちろん薪さん、青木、岡部さんの3人は「信じられる」んだけど。

残りは全部「敵」かもしれないんだもんなー。警察の上の方全部も。

『メロディ』連載ではもう決着がついてるのかもしれないけど、この事件終わったら『秘密』自体終わりじゃないのかな?

薪さん好きだし会えなくなるのは寂しいけど、もういいかげん楽にしてあげたいという気が…。

「第九」が解散したり、薪さんが警察をやめたとしても、過去のたっぷりの「秘密」がある限り薪さんに安らぎは訪れない。

それこそ頭撃ち抜いて死ぬか、完全記憶喪失か、完全精神崩壊かしか……うう、薪さん(涙)。


にしても。

鈴木さんの存在感たるや。

雪子さんも薪さんも、鈴木さんの呪縛から逃れられないね。

雪子さんはホントは薪さんが好きで、薪さんの好きな相手を奪うことで欲求を満たしてるのかと思ってたけど、薪さんに会う前から鈴木さんと付き合ってたみたい。

ということはやっぱり青木は雪子さんにとっても「鈴木さんの代わり」なのか。

もちろん青木が青木だからこそ二人とも惹かれていて、鈴木さんは「きっかけ」に過ぎないんだろうけど、青木としては辛いよね。

鈴木さんってどんだけいい男だったんだろ。

まぁ私は岡部さん派ですけどね(笑)。

「第九一、いや警察官一の猛者がおまえの顔色ひとつにびびりまくってるじゃないか」

そう、薪さんを守れるのは警察官一の猛者、岡部さんしかいぬぁいっ!

青木なんか捨てて岡部さんと幸せになりましょう、薪さん!(違っ


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