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『秘密』第8巻/清水玲子
『秘密』も8巻目になりました。
「秘密2009特別編」と「秘密2010」が収録されています。
「一期一会 A once-in-a-lifetime chance」とサブタイトルの打たれた「2009特別編」。
青木がウザかったです(笑)。
なんなの、あの子はホントに(爆)。
雪子さん以上に青木がウザい。
雪子さんと薪さんのシーンは薪さんが可哀想で……でも雪子さんには雪子さんの“傷”があって、彼女ばかりを責められない。
ただ、雪子さんってホントは薪さんが好きで、薪さんが心を向ける男に自分も惹かれるというか、その人を手中に収めることで薪さんへの想いを満たしてるんじゃないか、ってふうに思えるんだけど。
違うのかなぁ。
克洋くんを喪う前の薪さんって、すごい可愛い、天使みたいに笑う人だった感じでしょう。
きっと克洋くんも薪さんのことが好きで、でも「同性だから」そーゆー感情じゃないと思ってて、まぁ雪子さんでいいか、みたいな……(笑)。
青木の場合、モロに「薪さん大好き♪」だから、克洋くんの時とは3人のバランスが違うよねー。大丈夫か、雪子さん。マジで間違われて婚約解消になるか、どっちかがまた喪われてしまうか……。
玲子さん、どう考えてはるのかなぁ。
「第9」が将来分割(?)されることより、青木が泣きまくらなければ薪さんが会うはずだった人の正体の方が断然気になる「特別編」でした。
さてそして「2010」。
第9の新メンバーが大変意外なキャラクターで、薪さんとのコントラストが秀逸(笑)。
そしてやはりなんと言っても薪さんのコスプレが(爆)。
コスプレっつっても、いわゆる「おまわりさん」の格好で、もともと警察の人である以上「コスプレ」ではないのかもしれないけど、でも萌えます(笑)。
しかも制服コスで脅す脅す。怖いよ、薪さん。捕まるよ。
「子ども相手にそこまで」ってぐらい怖いんだけど、でもその厳しさが薪さんなのよね。
写真を見ただけで、「この子はいじめられていたんだろう」と見抜いてしまう薪さん。
不注意な人間なら気がつかずにやり過ごしてしまうその写真の痛ましさを見抜き、怒りと哀しみを覚える薪さん。
今回のお話の白眉はそこだなぁ。その写真を見せて「これはひどい事じゃないのか?」と詰問するシーン。
もう一人の子どもの死に方、その脳が見ていた映像ももちろん哀しいけど……。
ホントに玲子さんってばよくこんなお話考えるよね。
「第9」の捜査情報を漏らしていた犯人が誰だったのか、結局わかんなかったんだけど、あれってもしかして薪さん自身がやってたとか???
新メンバー山本さんが無意識にやっちゃってた、という可能性もありそうだけど、薪さんが犯人への「餌」にわざとやってたとか……。『Melody』の惹句に「捜査情報漏洩に続き、薪の身に迫る危険!! その目的は!? そして誰の仕業なのか…!?」とあるということは、もっと別の誰かが犯人なのかな。薪さんがほのめかしたような、「僕はいじめられない処」というのが正解なのか。
今後の展開が気になります。
あと。
291頁の山本さんのセリフ。
あなたの目に映る世界と、私の目に映る世界は、きっと本当に違うのだろう。100人いれば100の世界が、100の「見え方」がある。
人は見たいものしか見ない生きものだから――。
山本さんのセリフを受けての薪さんの優しい笑み。
あの笑みで山本さんも薪さんに魂を抜かれてしまいましたね。罪だわ、薪さん(笑)。
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