観たのはもう1週間前になっちゃったんですが(^_^;)

7月22日の11時公演。そのまま実家に2泊し、帰宅後も何やかやとバタバタして、ちっともblogが書けませんでした。

内容忘れちゃったよ(笑)。

宝塚での公演は26日月曜日で終わってしまったとはいえ、まだ東京公演が残っている。なのでネタバレが気になる方は以下、ご注意くださいね。

水さんのサヨナラ公演ではあるし、お芝居は正塚先生の作品ということで観に行ったのですが、大変正塚先生らしい作品でしたね。

見終わった母親が一言、「正塚センセの話は暗いな」(笑)。

『メランコリック・ジゴロ』とか楽しい作品もあるんですけど、確かに今回は暗め。

第二次大戦後二十数年、インターポールの刑事ロジェは戦犯逃亡組織を追いつつ、家族を殺した仇をも探していた。

いきなり幕開きが戦争の映像だし、「戦犯」だし、復讐だし。

バウホールでやった方が良かったかもな、という気はします。

最後は夏休みに入る大劇場作品としては、地味でしたねぇ。

やっと探し当てた「仇」が決して根っからの悪人ではなく、クライマックスがロジェの心理的葛藤=「復讐を果たすべきか否か?」というところが、バウホールでじっくり演った方が合う感じ。

派手なドンパチじゃないんですもん。

スーツでクールな水さんはとっても格好良かったけど、「我慢芝居」というかね。

もちろん、それでもあの大舞台を引っぱれる、立っているだけで他を圧倒するのが「トップスターの輝き」ではあるんだけど。

なんかこう、物足りない……。

最後に「実はこいつが悪だったんだ!」っていうどんでん返しがあるのかと期待してたらなかったし、ヒロインともくっつかないし、音月桂ちゃん扮するパリ市警の刑事リオンとの友情も今一つ盛り上がらない。

『銀の狼』での「酔っ払い」や『メランコリック・ジゴロ』の「飲め飲め」といったトップと二番手との印象的なデュエットシーンが……ちょろっとそれらしいのはあったんだけど……うーん。

むしろ音月さんに「敵役」をやってほしかったよなぁ。

二人の丁々発止のやりとり。

水さんが退団して、次は音月さんがトップになるわけだけど、トップになったら「悪い役」ってできないでしょ。二番手だからこそ「悪人」もできるし、色んな役ができる。

なんか中途半端だった。

娘役トップの愛原実花ちゃんは大人っぽいヒロインを好演。公演中にお父さん(つかこうへい氏)が亡くなったんだよね……。

ショー『Rock on!』はプロローグから客席に降りてきてくれて、「わっ、いきなり盛り上がるなぁ」と思ったら、最初だけだった(笑)。

なんだろう、曲は私好みのが多くてけっこう良かったのに、なんか「わくわく」できなかった。

母曰く、「振り付けが!」「衣装が!」「セットが!」。

全部悪いんか(笑)。

今年から1か月公演になったでしょう。

ずっと1か月半だったのに。

その分1年間の作品数が増えたら、単純に1作品にかける予算が少なくなると思うじゃない。

オケの人数も昔に比べればずっと少なくなって、今回も録音曲が多かったし、舞台全体の印象がこう、今ひとつ貧弱な……。

まぁ「お金がない」からすぐ貧相になるとは限らないわけで、やっぱり「見せ方」がつまらないんだろうなぁ。

やたらに美穂さんばっか歌ってたし。

美穂さんって専科さんなんだけど。

ショーだけで4曲は歌ってた気がする。

よっぽど他に歌える子がいないのか!?

娘役はほんと層が薄いというか、出てこないよねぇ。でも下手でも何でも場数踏ませないとうまくならないと思うし、一人の専科さんに4曲もっていうのはいくら何でも。

育てる気がないのかな、って思っちゃう。

水さんと愛原さんと同時退団で、男役は音月さんが次トップになるけど、娘役は当面の間「トップ」を置かない、って話だもんね。

男役と娘役のコンビがどんどんと息が合って「良くなっていく」、その成長過程を見るのも楽しみだし、トップコンビ+男役2番手のトライアングルのバランスが良くないと、面白い作品が生まれない、と私は思っているのだけど。

それにこう、昔だとトップ以外にも「スター」がいたでしょ。

特に娘役。

ジュンベさん(洲悠花)とかリンゴさん(小乙女幸)とか、主役を食う勢いの(笑)。

星組なんてジュンベさん、こけしちゃん(花愛望都)、タキちゃん(出雲綾)と歌がうまくてお芝居もうまい娘役さんが揃ってて、「誰に歌わせようか」状態だったもんなぁ。

男役だって、確かに「一杯いるからトップにはなれないだろうけど」っていうの、可哀想ではあるけど、でもそういう実力派のスターさんが脇を固めてくれないと、面白い作品にならない。

宙組ができて5組になって、「トップになれる可能性」は増えたけど、その分各組の層が薄くなってしまったような……。

生徒さんの方でも、見切りをつけるのが早くなったのかもしれないし……。

あんまり「昔は良かった」を言い過ぎると「年寄りの繰り言」になっちゃうからイヤなんだけど、今在籍してる専科さんが定年退職されたら、もう専科に行けるような芸達者なスターさんがいないのではないかとホントに心配で。

未来さんも一つ前の公演で辞めちゃったしなぁ。

すごく残念。

うちの母などは「きっともう100周年で宝塚は解散するんだよ」とか言ってます。

ははは。
 

水さんはカナメさんの退団公演だった『グランドホテル』『BLOADWAY BOYS』で初舞台を踏んでて、だから私は彼女の最初の公演と最後の公演を観たことになる。

なんか、痩せて頬がこけちゃって、ますますナツメさんに似て見えたなぁ。

昔に比べてずいぶん歌もうまくなって。

あ、そうか、水さんでももう昔の大劇場には立ってないんだな。

そんなにも年月が流れちゃってるんだ。

色々変わっていくのは当たり前なんだけれどもね……。
 

次、音月さんは10月にドラマシティでまずお披露目。

また正塚先生だ。

主人公、一匹狼の殺し屋だって。

ヒロインは記憶喪失だって。

正塚先生っぽいな(笑)。

大劇場は来年お正月、『ロミオとジュリエット』。

昔バウで見たヤツとは違う、海外ミュージカルの移植版。どっちかというと正塚先生の作品を観たいな。『エリザベート』や『スカーレット・ピンパーネル』は確かに面白かったし、『グランドホテル』もすごく好きだったけど、でもやっぱり「オリジナルのお芝居とショーの二本立て」が“宝塚”だと思うから。

……と言いつつきっと『ロミオ』観に行くと思うねんけどね。音月さん好きやし。

9月の月組キリヤンも観たいねんけど、9月はスケジュールが……。うーん、無理っぽい。

最近観てない花組・宙組・星組の舞台はいいのかなぁ。お金と暇があれば一度全組観てみたいものだけど……。