別サイトで不定期に更新している勝手な書評、『本の虫』。
そのバックナンバーの中から橋本治さんの著書を抜き出して、「橋本治の恵み」と銘打って一覧にしてみた。

『雨の温州蜜柑(おみかん)姫』に始まって、『このストレスな社会!』まで、17冊。
当然自分でも何をどう書いたかさっぱり忘れているので、今日読み返してみて、「へぇ〜」と思った。
昔はいちいちイラストを描いてたし、何より昔の方が文章がうまくて、我ながら感心してしまう(笑)。

橋本さんを読んでから文章を書くと、読んでる間に色々考えさせられて、一時的に頭が良くなる(爆)。
しかも私は非常に影響を受けやすい人間なので、直前に読んでいた本の文体(つまりは橋本さんの使う言い回しや語彙)をついつい真似してしまって、なんだかとても賢そうで、とても立派なことを言っているような、今読むと「おいおい、そんな偉そうなこと言って大丈夫か?」という文章になっている。

恥ずかしい部分も多いのだけれど、通して全部読むとそれなりに「橋本治さんの著作」がわかるような気もするので、お暇な時にでも目を通していただければ幸い。

しかし読み返してみて。
「鈴木宗男と橋本さんは同年齢」とか、「2004年の5月には、福田官房長官が「年金未納」問題で辞任」とか書いてあって、ほんとに「へぇ〜」。

福田官房長官って、福田首相のことだよね?
そーいえば、国会議員の「年金未納」問題が騒がれたことってあったなぁ、と思うけど、そうですか、福田首相自らそうでしたか。
年金問題がぐちゃぐちゃで一向に良くなりそうにないのも当たり前かと思う一方、もうそんなことすっかり忘れていた自分にも呆れる。

皆さん覚えてました?

色々な問題が起こって、色々先送りされて、当座の危機だけはどうにかしのいで、色々あったけど「世は事もなし」になるのが日本か、という気もいたします。

橋本さんの時評集である『ああでもなくこうでもなく』を1冊目から読み返したら1997年からの日本をたどることになって、「ああ、そういえばそんなことも」のオンパレードで、忘れていることの多さにびっくりするだろうと思う。
そしてきっと、「この時点でもう橋本さんがこーゆーふうに問題を提示しているのに、10年経っても何も良くなってないのでは」と頭を抱えるに違いない。

ああ、恐ろしい。

でも時間があったら、一気にがーっと読み返してみたいな、と思ったりはしました。
自分で書いた書評読んで、自分がその本を読みたくなってりゃ世話ないですけど。ははは。