……すごいサブタイトルだよね(笑)。
「妖しいまでに美しいおまえ」って。
宝塚じゃなかったらとても気恥ずかしくて付けられないタイトル。

でもホントに綺麗だった。

宝塚舞踊詩ということで、まぁいわゆる「春のおどり」なんですが、最近はホントに日本物のショーの上演回数が減って、春だからといって「おどり」をやるとは限らないので。

すごく久しぶりに見たような気がいたします。
(研16のトウコちゃん(安蘭さん)が「日本物のショーは初めて」って言うんだから……いかに回数が少ないか。)

冒頭の初舞台生の口上も、久しぶりなような。
いつもあれを見ると、「私も生まれ変わったらこの口上を言うのよ〜」と思ってしまう(爆)。
♪宝塚〜わが宝塚〜清く正しく美しく〜♪

んで、肝心の『さくら』です。

チョンパで舞台が開いた時のあの華やかさ!!
思わず「わっ」と声を上げたくなるほど見事でした。
今回、桜をあしらった舞台装置がすごく良かった。
衣裳も、最後の「辻が花」はもちろん全部きれいだったし、やっぱ若衆姿ってかっこいいのよね〜。

洋楽(オーケストラ)で日舞を踊る、っていうのがもともとすごく好きだし、今回はそれぞれの場面のストーリーがわかりやすくて、とっつきやすいのに充分以上の風情もあって、非常によくできたショーだったと思う。

雛人形が「今日で終わりなんて嫌だ!一年中ぼくたちが主役だ!」と五月人形を閉じ込めてしまおうとする「節句人形」のシーン。
狂言「花折れ」をモチーフにしたシーン。
二つともコミカルで楽しい。

平家の落人を描く竹灯籠の場面は、これまた装置が非常に美しく、幽玄。

フィナーレの「さくら」は目もあやな辻が花の衣裳に身を包んだスターさんが桜吹雪を散らしながら八百屋舞台に次々と……。ああ、たまりません。
手からはらりとこぼす花びらが、今回はたっぷりと効果的に使われていて、ほんとに麗しい。

もともと異常に「桜」が好きな私にはたまらない舞台でした。

それにしても松本悠里お姉様はなぜいつまでも年を取らないの(笑)。20年前からずーっと拝見してるけど、全然変わらない。春日野先生まではいかなくても、悠里お姉様も相当なお年だと思うんですけど……。
舞の確かさ、たおやかさはさすがでございました。

洋楽で日舞を踊る日本物のショーというのは、世界広しといえども宝塚にしかないものなので、年に一度は必ず上演してほしいと思う。悠里お姉様の後継を育てるためにも(って、もう遅いか……?)。