単行本の刊行が始まった時からずっと気になっていた。
でも単行本は高いしかさばるし、手に取らないままになっていた。
数年前文庫版の刊行が始まった時、「文庫なら」と思ったものの、かなりの冊数になりそうだったので、「手を出すとやばい」と思って控えていた。

単行本は昨年末全15巻が完結。
年1巻、15年の歳月をかけて。
文庫の方は単行本の10巻目までに当たる28巻までが現在刊行中。
ということは最後まで行くと40巻ぐらいになるのか……?
1冊1冊は薄いとはいえ、やっぱやばいよなぁ。

電車の中や体操クラブの時に読むのに文庫本が欲しくて、たまたま1巻と2巻が文庫OFFにあったので、買ってしまったのだ。
「面白かったら続き買わなきゃいけないから困るな」と思いながら。

面白くないわけないよねぇ。
塩野さんの「ローマ」なんだから。

そもそも、エジプト・ローマ・ギリシャといった古代文明には子どもの頃から興味と憧れがあって、古代ギリシャに関しては「ギリシア悲劇」のおかげでけっこう馴染みもある。
また塩野さんの文章が非常に読みやすく、さくさくと読めるのだな。
塩野さん自身がわくわくしながら書いているのがすごくよくわかるし、「ああ、こういうことだったんだ!」と書くことで発見する喜び、「私はこう考える」という考えることの興奮に溢れている。

史実を追いながら挟まれる塩野さん自身の現代に対する皮肉、警句も素晴らしく、つい頬が緩む。

参考文献のところの、著者に対する一言コメントがまた面白くて、『ガリア戦記(カエサルの)』読まなきゃ!という気にさせられた。
あれだけの参考文献を読んで、これだけの物を書いて、それで「私は研究者じゃない。シロウトだ」と言われたら、私ら一体なんやねん、って感じやけど(笑)。

続き、買わなしょうがないねぇ。